蜘蛛

 

 蜘蛛の巣を見ていると決まって思い出すことがある。本当なら頭の中からおいだしてしまいたい事なのだが、ゲドにはそれがどうしても出来ずにいた。顔には微笑みをうかべ一見好青年としか見えないマイクの事が。

 それはいつからだったろうか?思えばきっかけらしいものは存在せず、いつの間にか共にあったように思える。いや、それは錯覚なのかもしれない。巣の中央で獲物をまつ蜘蛛のようなマイク、ゲドはその獲物になるつもりはまったくなかったが、いつも気付けばマイクのはった罠に囚われているのであった。

 

 

   コンコン

 幾分控えめな音で扉がノックされた。その音を聴き満足気に口元を歪め、平静を装い扉の向こうへと声をかける。

「開いてますよ……。」

 扉の向こうで一瞬躊躇した気配があったがノブに手をかけゆっくりとまわされ、今まで長い間待っていた男が姿を見せた。

「カギ、閉めて下さいね。今から私がしようとしていること、見られたくはないでしょう?」

 入ってきた隻眼の男が何か言葉を発する前にマイクが口を開く。その言葉を聞いていたのか、いないのか表情に何の変化も見せず、後ろ手に扉を閉め言われた通りにカギを閉める。と、ゲドのその手が微かに震えているのがみてとれた。

「何を……しようというんだ!?」

 言われたままにカギを閉め正面に向き直ったゲドはそれまで守っていた沈黙をやぶり、訳が分からないといった戸惑いの表情と共に怒りを表した口調で目の前に悠然とたつ男にむけて言葉を放つ。

「おや、私からの手紙読みませんでした?」

「……手紙…」

 手紙は確かに読んだ、だからこそ今ここにいるのである。しかし何かをするのとは関係がないこと…ゲドの意識は目の前の男から離れ自らの考えの内に入り込んでいた。そのことに多少のいら立ちを見せ、マイクは注意を引き付ける為の言葉を放つ。

「何をするのか……、分からないのなら教えて差し上げますよ?」

「……?」

「今からあなたは私に抱かれるんです。」

「……ッ!!!」

 驚きの表情を見せ後ずさるゲドの方へ素早く歩み寄り、マイクはその手を掴み自らの元へ引き寄せる。そして流れるような動作で驚きに顔をゆがめるゲドの唇を自らのそれでふさぐ。あらかじめ口に含んでいた薬を薄く開いたゲドの口腔内へと導くように舌を滑り込ませ、奥の方で縮こまっているゲドの舌を絡めるとる。思うがままにゲドの口腔内を犯していたマイクは、自らの舌で導いた薬が嚥下されるのを見てとると、満足気に口元を綻ばせた。数秒しないままに手の内でゲドの力が徐々に抜けていくのが感じられる。

 

 

 考えたくはなかった今から自分の身に降り掛かってくることを……分からない訳ではなかった。ただ、認めたくなかったのだ。ゲドはマイクの熱を己の唇で感じながら自分の意識が徐々に失われてゆくのを感じていた。

 

 

 

 

「…………?」

 光を感じた、目覚めて一番はじめに感じたのは強烈ともいえる眩いばかりの光だった。眩しさに目をしばたかせ光に目をならそうと数秒そのままジッとしていたゲドは徐々に体の奥から沸き上がってくる妙な感覚に襲われはじめていた。

「…ッ、ハッ……」

「気がついたようですね、ゲドさん。……体、熱くありませんか?」

 思わぬ方向から聞こえてきたマイクの声に反応し姿をその瞳にうつそうと体を動かすが、何が起こったのかゲドの意志でそうすることは叶わなかった。その間も身の内に生まれた熱はおさまることなくどんどん高まる一方だった。熱に潤んだ瞳をきつくとじ近くにいるであろうマイクを呼ぶ。

「マイ、クッ……何をしたッ…」

「クスリ、ですよ。私があなたに口移しで渡したこと気付きませんでしたか?」

 ゲドは思い当たる事を記憶の底から引きずり出そうと必死になる。マイクはその様子を見て取り、自らの行動をおこす為に身の内から沸き上がる熱に堪える男の方へゆっくりと歩み寄る。

 

「アッ!!?」

 突如感じた強烈な刺激に、堪えきれず思いのほか大きな声を出してしまったゲドは自らの反応に驚きを感じ、中心がマイクの手によって掴まれているのを知って愕然となった。

「随分と反応してるようですね。」

 言葉通り、まだ触れただけのモノは服の下からでも見て取れる程屹立しており苦しみを持ち主に如実に伝えていた。しかし、服の上からモノを掴んだだけのマイクの手はそれ以上の強い刺激を与える事はせず、ゆるゆると緩慢に手を動かすだけに止まった。そんな動きだけでも強く感じてしまっているということを知られたくないと思うゲドは平静を装い、ひたすら堪えるのだった。

 ゲドの苦労を知ってか知らないでか、マイクの動きは変わらず緩慢で反応を楽しむかのように手を動かすのみだ。と、思い出したように中心に添えた手はそのままに堪えるゲドに向けて口を開く。

「ゲドさん、先程のクスリ……ですけど。あれ強力な媚薬なんです。一度試してみたいと思ってまして……害はないですから安心してくださいね。」

 いつもの笑みをうかべ爽やかに言い放つ。軽いめまいを覚えながら心のなかでマイクの恐ろしい言葉を反芻する。

(媚薬、だと………?何を考えているんだ、あの男は………)

「体、動かないでしょ?それも先程のクスリの影響ですよ。大丈夫です、すぐに動くようになります……もっともそのときのあなたは逃げることなど出来ないでしょうけどね。」

 

 

 

「やめッ………ハッ…ん……ッ」

 ゲドの押さえることが出来ない嬌声が広いとは言えない部屋に響く。

「声だして、良いんですか、外に聞こえますよ?」

(私としては大いに結構なんですけどね)

 攻める手を休ませることなくマイクが言いはなつ。ゲドの耳朶を噛みそのまま、耳の中へ舌を差し込み音をたて中を嘗めまわす。クスリの所為か、通常から敏感だったそこはいつも以上に快感をあたえ、マイクの言葉に堪えていたゲドは溜まらず声を漏らす。

「…ぅ…んんッ………」

「良い声ですね………もっと、乱れても良いんですよ?ここには私しかいないのですから」

 いつもの無表情からは考えられないほど艶を帯び、組み敷いているゲドはの顔は快感に歪み溢れる声は熱く、しかし熱にうかされた瞳はそれでも強い力を持ちマイクを睨み付ける。

「そんなふうに見られても逆効果になるだけです。もっと手荒く扱いたくなる。考えてから行動したほうがいいですよ。」

 微妙な強弱をつけ上下に扱かれていたモノを更に強く扱くと、一際高い声を発しゲドは堪える事なく呆気無く達した。それでもゲドのモノは勢いを失うことなく屹立し先走りの液を先端から流し続けている。

「これ……何に使うか分かりますか?

 朦朧とした頭で目の前に掲げられたレースがついた黒いリボンを見遣る。

「……ァ、……分かる、わけッ……ないッ……」

 ゲドの言葉に苦笑し、しょうがない人ですね…とマイクは言いながら、どう使うのか行動で示す。横に長くのばしたリボンをゆっくりと中心で頭を擡げるモノに近付けるといくら鈍いゲドでもこの先のマイクの行動を考えとる事が出来た。

「やめ、……ろッ……」

 弱々しい抵抗しか見せることが出来ず明確な意思をもって近付くマイクの手をゲドには拒むことが出来なかった。

「きれいですよ」

 マイクの言葉に羞恥を覚え、正面から顔を背けたえる。そのゲドの姿、得に中心のモノに黒いリボンを巻き付け先端から先走りの液を止めどなく流しているその姿に言い知れぬ興奮を感じ、正直な思いをその姿をさらしている人物に向けて放つ。

 ゲドの思った以上の媚態に、押さえきれない衝動がマイクを突き動かそうとしていたがかろうじて耐える。ひとつ仕事をやり終えたマイクは新たなものに向けて動き始めた。拘束しているそこには触れず、脇腹からすっと上に撫であげる。途中にあるぷっくりと立ち上がった色付く実を引っ掻くようにしてやると、その体は跳ね上がり快感を伝える。片方の手で、しつこいくらいにその実を嬲りあいたもう片方をゲドの口腔内へと侵入させ熱い固まりに指を絡ませる。

「グッ……ゥ…

 ゲドの口からはくぐもった呻き声がもれる。微妙な動きに翻弄され中心の熱は更に存在を明確にさせる。早く解放されたいと願うゲドだが叶う訳がなく、たかまる体をどうにか抑えようと努力する。

「…ゥ…、んッ……、とけっ…ッ」

「それは無理と言うものです。」

 ゲドの必死の願いが聞きとどけられる事はなかった。口腔内でうごめいていた指を引き抜くと、唾液で濡れた指を見せつけるかのように眼前にかかげる。

「ッ……?」

 マイクの行動に繭を潜め訝し気な視線をむけるゲドであったが、これからされる事を思い出すと、体を強張らせ逃げるようにベッドの上へずり上がる。

「ハッ…ん……ゥ」

 肌に擦れるシーツにも快感を覚え堪えきれなかった声がもれる。

「おや、動けるようになったんですか。良かったじゃないですか」

「…ッ良いわけッ…ァ……ないだろッ……」

 肩を上下させ荒い息を吐くゲドは体に触れている全てが快感を覚えている事を忌々しく感じる。はからずともマイクの言ったことが現実となり、動けるにも関わらず逃げる事は叶わない。少し体を動かしただけでも熱を伝えてくる自らの体ではマイクを押し退け服を身につけ、この場から去る事は不可能というもの。

 それなら、とゲドは自らを戒めているリボンを解こうと手を伸ばす。限界がきていた。マイクに解放されるのを屈辱の思いで待つよりもいっそ自分の手で………しかし、ゲドの手が中心に辿り着く前にマイクの手が行き着き、強く握りしめる。

「ア…ッ!!!」

 予想していなかった強い刺激は更にゲドを追い詰める事となる。いきたいのにいけない、そんな思いでいっぱいであるゲドはその後のマイクの行動に驚愕する。

 全体を隠すように巻いてあったリボンを解く事なく根元の方までずりおろす。そして表れたモノを両手で掴むと躊躇することなくその口に含んだ。

「……ハッ、んんッ!!」

 ねっとりと絡み付くマイクの舌は熱くゲドを翻弄する。裏の筋を根元の方から先端へ向け嘗めあげ、そのまま鈴口に唇を持ってゆき先走りの密を吸い上げる。袋を揉みしだくとゲドの口から甘い声がもれる。

「マイッ……ク…ッ、もう…ッ」

 懇願の声をあげるゲドに満足したのか、拘束しているリボンを解くとさらなる刺激をあたえ解放を促す。すでに限界まできていたゲドはその刺激に白濁した液をマイクの口内へと注ぎ込んだ。マイクは注ぎ込まれたものを残さず飲み干し、ゲドの達した液で濡れる自らの指を最奥の蕾へと滑らせる。達したばかりの体は言う事をきかずマイクの侵食してくる指を浸すら堪える事しか出来なかった。

 

 

 

 
 

 はじめて本格的に書いてみたエロです。やはし恥ずかしいというか、難しいというか……こんなに長くなるはずではなかったのに…どうしたことでしょう。もう少し続くのです。

 
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